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【 気になる?!】 ━ 脱税調査とその結果 ━

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毎年6月末にこっそり公表される「国税庁の査察」。結果報告とはつまりところ、脱税についてですが、より細かいこと(特に法人税について)は後から発表されるのをご存じでしょうか。

実はそれがこの11月なのです。最初の調査は告発段階での話になりますから、当然「異議申し立て」→「棄却」という結果で終わる件もあります。昨年からどう変わるかによって、「どの業界が儲かっているのか」がうかがい知れるのも、少し不謹慎ながら興味深い点です。

今回のテーマ、脱税調査。国税庁から平成30年度分が今回も公表となったのですが、なんと今回は「消費税受還付事案」について、過去5年間で最も多い6件(不正還付総額14億円)の告発がされています。更に一審判決では、懲役4年6か月の実刑がでるなど、なかなか重い状況になっています。

まず件数をみていきますと、着手の件数は去年から比べると若干少なくなっています。(63件から51件)告発率は60.3%でこちらはあまりかわりありません。ただし脱税額は断トツで「消費税」が多く……切り替えに伴い(故意
かどうかはさておき)結果として増えている状況にあることは間違えないようです。

ではどんな傾向があるのでしょうか。早速ですが、内訳をみていきましょう。

●消費税の不正受還付事案

上記したとおり、今年一番注目され、注意もされていたのが「輸出免税制度」まわりを利用した悪質な事案です。具体的な例をみていきますと

例えば、高額な腕時計の仕入れを装い架空仕入(課税取引)を計上するとともに、その商品を輸出物品販売場の許可を受けた免税店で外国人旅行者に販売したように
装ったもの。ここで「架空の売上」を計上して、虚偽の確定申告を行い、「多額の消費税還付金額」を受けようとしたというケースが挙げられます。

このパターンは前に別の業者も行っているのですが、「インバウンド」系ということで、おそらく来年以降もマークされるのではないかと思われます。似たパターンですと、「高額の腕時計」の他に、「中古ブランド」の買取・販売でも摘発がされています。

更に、今回は「14億円」という過去最高額の不正還付(未遂)犯が告発されています。この事例ですが、取引事実がないにもかかわらず虚偽の納品書を作成して、更に香港でのオークション販売を装って架空輸出売り上げを計上……(のちに、同じように事実のない免税により多額の消費税還付をもくろんだ)というパターンです。

●無申告ほ脱事案
故意の申告書不提出による脱税……ですが、いわゆる「所得隠し」。
別法人の名義預金口座に移すパターンと、個人事業の確定申告を故意に届け出ないパターンが今回は特に注視されました。

一つは、「太陽光発電設備の譲渡利益」によるもの。
もう一つは「私設ファンクラブの運営利益」によるものになります。
去年は「コンサートチケット」の販売などがありましたが、このような電子による振り込みもかんで、複雑化することでごまかす手口にも着目されています。

●国際事案
ここのところ注力されている海外取引の不正対応ですが、昨年の5件に比べ、今年は倍の10件が告発されています。

具体例としては、
香港法人の代表者に虚偽のインボイスを発行させ、架空仕入を計上する方法で法人税を免れたもの。更にその不正から得た資金で、F社の役員に対する簿外の役員報酬を国外で支給。この報酬に係る源泉所得税を一切徴収なしに、納付しています。

他に、外注費の支払い(不課税取引)を、国内法人に装って課税取引にし、「控除対象仕入れ額」を過大に計上するという凝った方法での消費税逃れが摘発されています。

国内国外の変更や差を使った不正については今後も特に調べられていくでしょう。また、同時に故意でなくても、チェックは厳しくなっていくと思われますので、十分気を付けたいところです。