中江有里 新 プロフィール<完全版>
 
 新しい年を迎えました。本年もよろしくお願いします。
 いきなりですが、身内が増えました。妹夫婦に初めての子どもが産まれました。
 というわけで、伯母デビューを果たしました。親と違い無責任な立場なので、ひたすら愛でようと思います。甥っ子万歳!
 今年一回目のお題が「初○○」ですので、この場合は「初伯母」でしょうか。考えてみれば新しい命を前にする誰もが 「初」の立場になるのですね。妹たちは初めて父と母になり、我が両親は祖父、祖母デビュー。みんな慣れない呼び名にドギマギしていることでしょう。
 「初○○」というのは生きているうちに、ある範囲において一度しか経験できないことです。初めて学校へ行ったとき、初めて恋をしたとき、初めて親になったときなど、どれも忘れがたい思い出になることでしょう。
 わたしが忘れがたい「初○○」といえば、初めて映画に出たとき、そして初めてテレビに出たとき。自分の顔を画面で見るのは不思議なものでしたが、自分の名前がキャストロールに出た時が一番嬉しかった。しかしながらそれもだんだん慣れてくる。今度は自分の名前がどの順番で、どのあたりで出て来るのかが気になってくる……最近はどんな写りかが気になる。ちょっと太った?目の下のクマが目立つ!etc……初めて画面で自分の名前を見たときの喜びはどこへいってしまったのか……。
 その後の忘れがたい「初○○」といえは、脚本家デビューしたときです。NHK大阪の脚本コンクールに入賞し、授賞式に伺った際に出来立てホヤホヤ(湯気は出ていません)の脚本を渡されました。「納豆ウドン」という妙なタイトル(自分で付けたのですけどね)の脚本を開くと最初のページに「作 中江有里」と載っている。震えるほど感動しました。芸能界に入る前からの夢だった「物書きの扉」が開かれた思いがしました。
 その4年後、今度は小説を出版しました。見本を渡されたとき、やっぱり感動しました。ついに本を出したのだと。
 その本は文庫化され、その後小説と監修本を出し、この春には初の本エッセイを出す予定です。嬉しいことですが、最初のような震える感動はありません。
 当たり前のことですが「初○○」は年を重ねるごとに減っていきます。様々な経験を重ねることにより、初めて体験することがどんどんなくなっていくからでしょう。
 でもこの冬は久しぶりに震える感動を味わいました。もちろん甥っ子の誕生です。自分と血が繋がった小さな赤ちゃんを見ていると、ただそれだけで感動してしまいます。
 おおげさかもしれませんが、この子が生きていく世界を少しでも良くしてあげるのが、自分にとっての使命のひとつなのだと思います。