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企業30年説という考え方があります。企業組織も生き物で寿命があり、時間が経つにつれ病気になりやがて死を迎えるという考え方です。衰退をする原因は何でしょうか。

大きな原因のひとつに、創業者という生身の人間と企業がシンクロナイズしてしまうということがあります。
企業は創業者の熱意をもってその息吹を与えられ、創業者のエネルギーが生み出したヒット商品により、成長をしていきます。そして、創業者を支える創業期の社員たちが、創業者の熱い想いを理解しながら、企業運営に携わっていくわけです。かれらは、あうんの呼吸で創業者と一体となって働いてくれます。企業としての経営理念もお題目ではなく、彼らは心からそれを理解することができるのです。
企業はやがて成長期から成熟期を迎えて行きます。この段階に入ってくると創業者自身も加齢を重ねることとなります。そろそろ引退をと考える人も出てくるでしょう。創業者が第一線を退く時が、企業にとっては大きな正念場となります。その会社のアイデンティティを最も体現していた者、それが創業者だったとすれば、創業者の引退は企業のアイデンティティ喪失につながりかねない大事件です。創業者が去った後の企業では、なにも手だてがないかぎり、創業者の想いは徐々に雲散霧消していき、その企業のベクトルは不透明なものになっていってしまいます。そしてやがて衰退期に入っていくことになるのです。脱サラをして40歳で創業すれば、30年たつと創業者は70歳。生身の体の寿命と連動して企業の寿命も30年だという考え方がここに成り立つわけです。
企業30年説を打破するためには、創業者が現役のうちに、創業者依存体質から脱却を図っていくことです。具体的には、経営理念をメンテナンスしてくということを、創業者および創業期メンバーと第2世代が手を取りながら実行していくことです。これは創業者および創業期メンバーにとっては勇気のいることです。なぜなら自己変革をすることになるからです。裏を返していえば、この自己変革の有無が企業を第二成長期に押し上げられるかどうかの決め手となるのです。