プロフィール完成版(仮)


 今回のお題は、わたしが大変苦手なものです。
 N社長はいつもこのエッセイを書くために3つお題を出してくださり、その中からひとつ選んでおります。なぜわざわざ苦手な「これ」を選んだかというと、自分でもいつ頃から、なぜ苦手なのかわからないからです。この機会にちょっと考えてみることにしました(このコーナーはそういうコーナーではないと思うのですが、もしかしたらわたしと同じく「これ」が苦手な人がいて、同じ思いを抱えているかもしれない!という強引な理由付け)
 「これ」こと「お化け屋敷」に初めて触れたのは一番古い記憶を辿ると、まだ小学校に入る前の3~6歳だったかと思います。家族と親せきと共に遊園地に行き、何の前触れもなく伯父に抱きかかえられ初のお化け屋敷に入りました……いわゆる歩くスタイルの昔ながらのお化け屋敷です。わたしは終始伯父に抱えられ自分では歩きませんでしたが、もし歩いていたら、自力で出られたかどうかわかりません。内部に関する記憶は一切ありませんが、ひたすら怖くて泣き叫んで出てきました。
 覚えていないのになぜ苦手なのか?いや、覚えていないからこそ余計に怖いのです。少しでも覚えていれば「お化け屋敷なんて所詮こんなもの♪」と思えたかもしれません。
 それからはもちろん自主的に入りたい、と思ったことはありません。しかし世の中には断れない付き合いと言うものがあります。中学生の時、友人同士で遊びに行った遊園地。「お化け屋敷入ろう!」と誰かが言いだしました。
 「な、な、なんてことを言うのだ!お化け屋敷に入るなんて?」しかし自分だけ行かないというわけにもいかず、入りました。
 このお化け屋敷は当時としては新しいもので、乗り物で自動的に動くタイプでした。わたしは下を向いて耳をふさぎ、難を乗り切りました。屋敷を出たところで「怖かったね」と言ったら、友人から「あんた何も見てなかったやん」と笑われました。
 「見なくても、聞かなくても怖い。誰がこんなものを考え出したのか?」わたしの心の叫びはさておき、お化け屋敷の人気は脈々と続いているようです。有名どころのアミューズメントパークにはかなりの確率でその怖さを誇るお化け屋敷があります。
 お化け屋敷は作りものの恐怖を楽しむところ。その恐怖で涼を得たり、非現実の楽しさを味わったりするものです。わたしは遊園地は好きなのですが、怖いものが大嫌いなので、ジェットコースターもお化け屋敷もダメです。
「一体何しに遊園地に行くの?」と聞かれると「遊園地の雰囲気を楽しみに」と答えます。だって「現実より怖いものはありません」からね。これ以上怖い思いはたくさん。
 うーん、シビアすぎる結論でしょうか。