プロフィール完成版(仮)

 随分暑くなってきましたね。今年は電力不足を案じ節電しなくては、ということで我が家もクーラーは控えめです。我が家はさておき、例年公共の場ではクーラーの効き過ぎで全身冷え切ってしまいます。空調控えめは大いに助かる!と思っていましたが、場所によっては暑くてたまりません。そういえば小学生時代、学校にクーラーはなかったけど耐えていました。あの時代、あの日の自分はどこへ行ったのやら……。
 閑話休題。ちょっと気持ちが涼しくなる夜空のお話をしましょう。
 夜空といいましても、恥ずかしながらわたしは星座にくわしくありません。空を見上げて見分けられる星といえば、北斗七星とオリオン座くらいです。
今回は秋から冬にかけての空の話です。星ではなく、月に関連するお話。
「かぐや姫」といえば、(フォークグループではないほう)日本最古の物語といわれる「竹取物語」の登場人物として知らぬ方はいないと思います。わたしも子どもの頃から、何度も聞き、読んでもらったお話のひとつです。
 簡単にストーリーを書きますと、ある日おじいさんが光る竹を見つけ、切ってみるとそこには小さな女の子がいました。子のなかったおじいさんとおばあさんは女の子に「かぐや姫」と名付け大切に育てました。美しく成長したかぐや姫は、富と地位を持った男たちに求婚されますが、これを全部断ります。そして11月15日の月の夜、生まれ故郷である月へ帰って行きました。
 作者不詳、日本最古の物語と言われながら、その成立時期はいまだはっきりしていません。そんなあやふやな出の物語が、今の世にも残っているという不思議。でもこのお話、なんだか色々考えさせてくれる、魅力的な物語だと思います。
 まず竹から生まれてくる「かぐや姫」の秘密。最後にわかるようにかぐや姫は月生まれ。月生まれのはずがなぜ竹の中にいるのか、それは謎ですが、この部分だけでも、「自分は本来ここで生まれるはずではなかった」というような人間生来の悲しみが感じられます。人間は生まれる場所も育つ環境も選べません。それゆえの悲しみや絶望、自分ではどうにもならない宿命について、誰もが一度くらいは考えたことがあるのではないでしょうか。竹から生まれたとされる「かぐや姫」が、実は月生まれだったというところに、何かメッセージがありそうです。
 そして成長したかぐや姫に群がる男たちの話。かぐや姫は男たちに無理難題を出し、結婚を諦めさせようとします。いずれ月に帰るとわかっているなら、わざわざ男たちをほんろうしなくてもよいのでは?と思わなくもありませんが、富と地位という現世的な価値で、かぐや姫にアタックする男たちは彼女を本当の意味では愛していない、だから想いは成就しない、ということを暗に示しているように思います。
 多くの謎がある「竹取物語」。昔の神話に心寄せると、それだけで心が静かに、少しひんやりとしてくるような気がしませんか。