プロフィール完成版(仮)

 先日ひさしぶりに大阪へ行ってきました。
 大阪は十五歳まで暮らした故郷です。東京暮らしの方が長くなった今も、生まれ育った大阪の文化は自分の奥深くに根付いている、と感じます。
 ここで言う大阪の文化とは、大阪の食べ物のことを指します(キッパリ)。どんなに遠く離れて暮らしても大阪人(特にわたくし)の胸震わすソウルフード、それは焼き物。決してイマリ、フカガワなどの陶器の事ではございません。
 ちなみにルビを振っていませんが、「食べ物」は「たべもん」、「焼き物」は「やきもん」と読みます。
 大阪の焼き物はお好み焼き、たこ焼きが有名どころ。その他焼きそば、焼きうどん、アツアツの汁につけて食べるふわふわ明石焼きなんかも時々食べます。これを総じて「粉物」(こなもん)ともいいます。
 大阪出身以外の人に「大阪の家庭には本当にタコ焼き器があるのですか?」とよく訊かれますが、我が家にはありました。タコ焼き器がある家庭なら、かなりの確率でホットプレートもあると推測されます。こちらは言うまでもなくお好み焼き用です。焼き物、粉物好きな大阪人なら当たり前の装備でしょう。
 お好み焼き、たこ焼きは家だけで食べるものではありません。タコ割烹店からデパ地下、お祭りの屋台まで、だいたいどこでも売っています。時に軽いスナックとして、時に白米のおかずにして食べます。家で作る際はそれぞれの家庭の秘伝(おおげさな!)、技(個人の好む材料)が惜しげもなく投入されます。この味は家庭でしか味わえませんね。
 例をあげますと、うちの焼き物の特徴はいつも煮物が入っていました。細かく刻まれたこんにゃくやちくわがお好み焼きにもたこ焼きにも加えられます。和風の煮物は意外とソースに合い、結構おいしかったように記憶しています。
 家で焼き物をする一番の醍醐味は、出来あがるまでの過程にあると思います。ひとつのプレートを囲んで、生地をひいて、具を乗っけて、ひっくり返し、出来あがるのを待ちます。
 「まだ?」「もうちょっと待ちぃ」「そろそろひっくり返そか」「ちょっと青のり、冷蔵庫から出して」「こら、押し付けたらあかん!ふわーっとさせなおいしいない」
 と、まぁ騒がしく焼きあがるのを待つ時間が何とも楽しかった。
 一時期、大阪の我が家では大みそかにお好み焼きを食べるのが定番でした。お好み焼きを焼きながら、紅白を見る家族。なかなか珍しくシュールな光景かもしれません。
 以上、焼き物がわたしのソウルフードである理由でした。