わたしの幼少時代、食器棚というのは家の中でも一二を争うほど大きなものでした。その理由は、食器の数が多かったから。家族の数より食器の方がずっと多かった。
 大型家具の食器棚はしょっちゅう買い換えるものではありません。きっとわたしの実家もこれから増えるだろう食器を仕舞うために、大きめの食器棚が必要だと思ったのでしょう(広い家でもないのに、壁一面近くが食器棚で埋まり、部屋を圧迫していました)。
 わたしの周りを見渡して常々感じることですが、女性は食器好きな人が多いです。もっと考察すると、食器に将来の夢を託す人が多いようです。未婚者、これから結婚を予定している人はなおさらです。この食器にどんな料理を盛りつけようか、食器の数はどうしようか(将来の家族の人数を想像できます)。
 食器は毎日の食事で使うものですから、そこから日常の生活を想像しやすいのでしょうね。あと「ピンチを食器に助けられる」という事もあります。
 たとえば疲れきってご飯を作る余裕も元気もない時に、お惣菜やインスタント食品を買ってきたとします。ここでひと手間。食器に買ってきた食材を盛り付ける。たったこれだけのことで大した手間もなく、お惣菜やインスタント食品が俄然綺麗でおいしそうに見えるのです。お皿を洗う手間ぐらい、作るのに比べたらたいしたことありません。
 そういうわたし自身は、食器を集める癖は昔からありません。冒頭に書いた通り大きな食器棚のことがあるので、あえて食器棚は小型のものにしました。しかしこれまで一度も集めてもないのに我が家には食器が売るほどあります……いつ増えたのか知る由もありません(もう小型食器棚には入りきらないほど)。
 自分で集めなくても、いろんな記念に食器を頂く事も多いです。先日結婚式の引き出物で頂いたフィンランド製のガラスのコップは、とても気に入りました。毎朝ガラスのコップにオレンジジュースの炭酸割り(毎朝の習慣です)を注いで飲むたび、「良い結婚式だったなぁ」と思いだしております。
 趣味が合う食器、に限っては、買うのも頂くのも嬉しいです。あぁ、わたしもやっぱり「食器好き」女子のひとりですね。