「N社長からお題を頂いて、わたしが書くエッセイ」のはずが、今回は変更です。なぜなら自分で提案してしまったからです。
そのきっかけは、前回のエッセイを書き終わった後、次のお題の話になり、
「次回はN社長の事を書きましょうか?」と軽口を叩いたところ、
「スリーサイズ以外なら……」と。
これだけでN社長のお茶目キャラが伝わったと思われるので、社長つながりで「会社」でいくことにします。(社長ネタは今後小出しということで)
実はわたしも会社を経営しております。いちおう肩書きは「代表取締役社長」ですが、社長らしいことは何一つやっていない「名ばかり社長」です。
わたしは会社について長年考え続けていることがあります。
会社って一体誰のものなのでしょう?
一応その会社を立ち上げた人のもの、みたいな気はするのですが、すべての会社において創業者が経営しているとは限りませんしね。
以前、誰もがその名を知っている大企業にお勤めの方とお話しすることがありました。その方が口癖のように
「わが社はですね」「わが社の場合」と会社のことを言っていました。
その口ぶりからは会社に対する「愛情」「誇り」、ちょっぴりひねくれて言うと「優越感」ともとれる気持ちを感じました。
このご時世、どんな優良企業でも終身雇用、将来安定が確定しているわけではありません。同じ会社にいるということは、社員一同ひとつの船に乗っている状態、ではないでしょうか。
同じ「社会」という海の中、小さな船も大型船も共存して浮かんでいる、と想像してみてください。運命共同体が多いか少ないかという違いはあるでしょうが、人々が寄りそって生きていることに変わりはありません。
つまり会社は自分のものでもないし、はたして無関係でもない。
普段はわりと個人主義だけど、困った時はみなで力を合わせ全身全霊で助ける。それがわたしにとっての「会社」であり、決して自分のものではないというのが現在の所存です。