中江有里 新 プロフィール<完全版>

 すっかり冬ですね。今年は徐々にではなく、いきなり冬になったように思います。
 さて、今回のお題「こたつとみかん」。冬の間、我が家のダイニングテーブルには、みかんが常備してあります。食べつくす前に買いに行くので、なくなりません。
 実家では、みかんは段ボールで買い置きしていて、ベランダに保存してあります。
 段ボールのみかんは大量にあって、底に近いところにあるみかんがひとつでも傷むと、他のも次々に傷んでしまいます。その為に母から「早くみかん食べ」とせかされ、毎日のようにみかんを食べていたことを思い出します。
 時々遊びに行く祖母の家も同じでした。段ボールいっぱいのみかんを「早よう食べ」と孫たちは競うように食べます。みな手が黄色くなるくらい、せっせと食べていました。
 しかしあんまり大量にあって痛んだり腐ったりしてしまうなら、段ボール買いしなきゃいい、とはだれも考えなかったようで、毎年のように段ボールからみかんを取り出しては、傷んだものはないか探し、少しでも甘そうなみかん(皮が程良くやわらかいものが甘い)を見つけては喜んでいました。
 みかん段ボール買い「三代目」に当たるわたしですが、さすがに段ボール買いはしていません。大量に食べきれない、ということもあるのですが、もうひとつ、我が家にはこたつがない、ということも関係しているかもしれません。
 実家も祖母の家もこたつテーブルの上に、みかんがいっぱいにつまれた籠がありました。みな家に入ると、自然とこたつに集まります。そしておもむろにテーブルのみかんに手を伸ばしました。
 こたつのない生活が始まってもう20年近くが経ちます。その間、年末年始に実家や祖母の家に立ち寄ると、そこには昔と変わらぬこたつがありました。似たような顔をした親戚たちがこたつを囲み、みかんの皮を剥いていました。その中に並んで座り、みかんの皮を剥いていると、まだ自分が子どものままのように思えました。
 ずっとこたつはいらない、と思っていましたが、ここ最近「こたつもいいなぁ」と考えています。実際にはこたつを置くスペースがないので難しいですけど、いつかこたつの部屋がある家に住んでみたい。
 理想のこたつ部屋は、テレビがあって、お茶セット(湯沸かし器に急須、茶碗)とみかん。お煎餅も欲しい。あ、テーブルでパソコンはダメ。携帯も出来ればいじらないように。人生ゲームはOK。鍋推奨。枕代わりのクッションもいくつか欲しい。こたつでウトウトするのは最高ですから(風邪には注意)。
 考えるだけでこたつ熱が高まります。しばらくは想像の「エアこたつ」で我慢します。